4.語らう日

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「……」 もうちょっと深く考えてみろよ、皇。 言おうとした忠告は、声にする寸前で飲み込み、呼気として肺に戻した。 こいつは、友達と認めた人間を疑わない。信じて信じて信じ抜いて一緒にあろうとする。 そういう性質を知ってか知らずか、皇に友達呼ばわりされたヤツは、誰一人として彼を裏切らない。 皇の交友範囲は狭いが、ただ多いだけの連中と比べたら、とても幸せなヤツと言えるだろう。少なくともオレはそう感じた。 だから、マオや芦屋を純粋に信用する皇に、忠告なんてできない。 それは失礼というものだ。 (うだうだとお節介すぎかね) 内心で肩をすくめるが、仕方ないと自分自身に反論する。 皇には、とかく純朴なままでいてほしい。オレの勝手な意見かもしれないが、そう思う。 「鋼介?」 慎士に訝しげに呼びかけられ、思考から覚めた。 「どした?」 「悪ぃ、ぼ~っとしてた。何?」 「や、何ってお前……」 「お前は何を言ってるんだ」みたいな感じで、我が親友はオレの手元を指す。 「うどんめっちゃ伸びてるぞ?」 「……」 今度から大盛りにするのはやめるとしよう。 ────
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