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天蓋付きベッドの枕元で、大きなテディベアが転がる。
わずかな音を聞き取ったユーリは、机を立ち、床に落ちたそれを抱え上げた。
ほんの数時間前、兄のゾリスからもらったクリスマスプレゼントだ。首の大きなリボンが愛らしい。
「……ふふっ」
改めて感じる喜びに、思わず頬を緩める。
両親の死後、家督を継いで多忙となった兄は、クリスマスや正月はもちろん、誕生日にすら帰ってこないことも多かった。
ユーリに彼を非難する気は毛頭なかったが、寂しいと思わずにはいられなかったのも事実である。
これは、初めて兄からもらったプレゼント。そう思うと、喜びもひとしおだ。
腕の中の大きな熊を、力の限り抱き締める。
そして、
「?」
ぬいぐるみのリボンが当たっている辺りに、違和感を覚えた。
身を離して観察してみると、青いリボンに隠れるように、細く折られた紙が挟まっている。
意図しなければ、こんな挟まり方はしない。十中八九、ゾリスの仕業だろう。
慌てて紙を引き抜き、テディベアを元の位置に戻して、机に座る。
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