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細く小さく畳まれた紙を開く。書かれている文字は、幾重にも刻まれた皺のせいで、かなり読みづらい。
しかし、筆跡は間違いなくゾリスのものだ。
『我が最愛の妹へ』
「~~~!」
一行目で、さっそく悶えて机に突っ伏してしまった。
しばらく手足をバタつかせた後、心を鎮めて先を読んでいく。
『メリークリスマス、ユーリ。
口で上手く言えるか分からなかったから、手紙にしてみた。読みにくい字で済まない』
確かに読みにくいが、それは単純に、紙が折れすぎているからだ。
『考えてみると、お前にプレゼントを渡すのは、これが初めてだな。
十六歳の女の子にぬいぐるみもどうかと思ったが、お前が喜んでくれそうなものを考えたら、これしか浮かばなかった。
残念なセンスで申し訳ないが、気に入ってもらえると嬉しい』
「そんなことないよ」
他に誰もいない自室で、独り言をこぼす。
実はユーリは、贈り物としての高価なアクセサリーが、あまり好きではない。
ハディス家の財産目当てでユーリに近づく貴族たちが、決まって高い物品で気を引こうとしたのが、その原因である。
故に、プレゼントがテディベアであったことには、とても喜んだのだ。
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