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「無理して"自分の体"を傷つけるくらいなら、早く乗っ取って追いついた方が良い。
たぶん、タナトスはこう考えて、その余裕があったから、ゾリスさんに押さえられてたんだと思う」
『……解せんな』
長い説明を受け、オセは気に入らなげに吐き捨てた。
小さな目は、疲労の中に威圧的な眼力を交え、こちらを見据えてくる。
『まだ分からぬことの方が多いが……要するに、ヤツはまた襲ってくるのだろう?
なら、なおさら早く逃げるべきではないか。貴様が一人で残る理由など……』
「あるよ」
断言され、また軽く驚く豹。
オレだって、今の自分が柄でもないこと言ってるのは分かってるけどさ。
「タナトスが一番殺したいのは、オレだ」
メシアを宿し、真実まで知っている人間。この三人の中では、オレが最も厄介な存在のはずだ。
二手に別れられた場合、タナトスは十中八九、ここに残ってオレの排除にかかる。
オレの頑張り次第ではあるが、これで"時間稼ぎ"という手段が成立する。
八方塞がりを、打破できる。
「オレがヤツの相手してる間に、お前はユーリを連れて、行ってくれ」
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