隣のアイツ

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「ふーん、そうか、お前はパジャマで買い物に行くのか」 ここで無視して着替えに行けばいいものを、毎回こう言ってしまう。 「…お願いします。誰にも言わないでください」 「じゃあこれ買ってきて。金は後払いで」 そう言って荒井はメモ用紙を渡してきた。 誰にも言わないでなんて…言った後に後悔する。 コイツと私には家が隣という接点しかない。 だから、誰にこのことを言うってんだ… コイツが言いふらしたって私は直接的に恥をかく訳じゃないのに。 『誰にも言わないでください』 そう言うとコイツはいつもあたしをパシリにする。 いい加減に学習しろよ、自分。 この一年で何回こんなことがあったんだ。 .
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