隣のアイツ

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買ってきたものをアイツに渡すため、インターフォンを押す。 はーい、と怠そうな声が聞こえそれから数秒後ガチャンと鍵の開く音がしてドアが開いた。 「あー、お前か」 なにそれ、お前が買いに行かせたんじゃないか。 それとも別の人が来る予定があったってのか。 だからってこんな言い方はないよな。 なんだかイライラしてきて荒井を睨みながら買い物袋とレシートを突き出す。 「おっ、ちょっと待ってて」 そう言って荒井は私の手から買い物袋を取りレシートを見ながら部屋の中へ入って行った。 私は今にも折れてしまいそうなサビた柵にもたれ掛かった。 私の部屋は2階の一番奥。 2階には3部屋あり、荒井は真ん中の部屋。 一番階段側は空き部屋だ。 一年前までは誰か住んでたみたいだけど私と入れ替えで出て行ったらしい。 このアパートは二階建ての大分古い作りだ。 部屋に風呂、トイレは付いているのでまだ助かる。 そう言えば1階には誰が住んでるのか知らないな。 なかなか顔を合わせる機会がない。 .
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