隣のアイツ

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「くしゅんっ」 うー、寒い。 さっきのくしゃみで鳥肌が一気にたった。 今日はいかにも雨が降りそうな雲が空に覆い被さっている。 天気予報士でなくても傘を持っていたほうがいいってことが分かる天気。 いわゆる曇天ってやつ。 いくら春になりつつあるといってもやっぱり長い時間外でじっとしていると体の芯から冷えてくる。 いつまで待たせるんだ、アイツは。 手を口元へ持って行き ハァーと息を吹きかける。 でも暖かいのは一瞬ですぐに始めよりも冷たくなる。 なので今度は手をこすりあわせて摩擦で暖かくしようと試みる。 ここまでの一連の動作は寒いとき無意識に行ってしまう。 ドラマなどでもよく見かける光景だ。 .
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