拾いまして。

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「なんとか、雨は止んだみたいだな。」 昨日の豪雨が嘘みたいに晴れ、空は清々しいぐらいである。 俺はいつも通りに登校の準備をする。準備を済ませ、リビングに行くと今日は聖姉(姉さんの名前が聖子(せいこ)だからそう呼んでいる)が朝食の支度をしてくれていたらしく、テーブルの上に食パンと目玉焼きが置かれていた。 俺はそれを食べると家のドアを開け、学校へ向かった。 俺の家は山の麓にある小さな寺で、今は2人の姉と暮らしている。姉と言っても、全員捨て子だった。それを今住んでる寺の住職が拾ってくれたって訳だ。その後その住職、まぁ親父と呼んでたが前に他界してしまった。その時に寺を継ぐ人が居なかったので今は一番上、長女の聖姉がそれを継いでいる。 次に二番目の辰姉(これも名前が辰巳(たつみ)だから)だけど、学生時代は様々な格闘技に手を出して、全国大会で優勝する等それなりに強かったんだけど…現在は働かず、寝てるかゲームしてるか鍛練してるかのどれかになっている。生活が苦しいので働いてほしいものである。 と家族紹介はここまでにして…と思っていたら後ろから呼んでる様な声がした。
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