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「わ、わしが悪かった。……気がする」
「ああん?」
「スミマセンデシタ…」
片言で謝る男を一睨みして、仕方なく足を退けた。
大分視界が晴れた部屋の中、改めて周りを見渡してみる。…ひどい有り様だ。
「いやぁ~、爆発するとは思わんかったぜよ」
「思わんかったぜよ。じゃねーよ。現に爆破してんだから…ったく。どうすんだ?この部屋」
体を起こして胡座をかく男に童は溜め息混じりに尋ねる。
襖は吹っ飛んでるし、天井は焦げてるし…最早、人が住める状況ではない。
「んー、何とかなるき。心配せんでもええぜよ。こん部屋が使えんようなっても他の部屋を使えばええちや!」
「………」
少し考えた素振りを見せたが、結局は無責任発言をする男に対し、童は再び足が疼くのを感じた。
それを、頬を引き吊らせることで何とか我慢する。
「…あ、そうだ。親父宛に文がきたんだった。……はいよ、キュウカイ殿」
「お~、キュウカイとは。また懐かしい呼び名じゃのぉ」
思い出して懐を探る童から文を受け取って、男は早速中を開いた。
「ふむ…これは……」
「誰から、何が書いてあったんだ?」
文を読みながら、ふ~む。だの、う~む。だの唸っている男の横から覗き込んだ。
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