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泣きながら何度も何度も目をこすって歩いていると、DJが座ってるのが見えた。
俺はそのまま向かう。
歩いて、歩いて、立ち止まった。
DJが俺を見上げた。
その無表情な顔を見て、突然吐くみたいに、熱い何かがワッと駆け上ってきた。
「ご……ごめ、んっ!」
引きつるような声と一緒に、ドバっと涙が出た。
熱い、熱い胸が苦しい。
沸騰した頭が痛い。
息が吸えない。
何も見えない。
なんにも、なんにも……
「なんでお前が謝るんだよ」
戸惑いが滲んだような声が響いた。
「だ、って、だって、……お、俺だけ、泣いて、る、から」
ちくしょう、と言ったけど、鼻水をすする音と同化してしまった。
息を止めて、それから息を吸って、一生懸命止める。それでも、どこからか出てくる。後から、後から。
耐えきれなくなって、左の拳で自分の胸を叩いた。
「お、おい、止めろ!」
DJが慌てて立ち上がった。
俺の腕を掴もうとして、途中で止めた。
叩くと涙がバタバタと勢い良く落ちて行った。
ぼやけた視界が一瞬クリアになって、あいつの白い拳が見えた。
その拳を下ろして、あいつははっきりと言った。
「別に謝ることじゃない」
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