―12歳 扉の向こう―

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俺たちは荒々しい感情を一切忘れて、その紳士の動きを見ていた。 君たちも引き取ることにしたよ、だから3人ずっと一緒だ――そんな言葉を、ほとんど期待していた馬鹿な自分。 ハンスンさんは、俺たちの目の前に来ると、立ち止まって微笑んだ。 「君たちが、DJとアレックスだろう?」 「そうです」 DJが答えた。 「シェリーがよく話してくれた。家族より、もっともっと大事だって」 俺の目蓋が熱くなる。 俺だって、ずっとずっと大事に思っているんだ。 そう言いたい。 「俺たちは、あいつのこと、別にそこまで好きじゃないですから」 俺の気持ちとはウラハラに、DJはそう言った。 ハンスンさんは、おや、と眉を上げたあと、やっぱり微笑んだ。少し、悲しそうに。 .
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