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ただ、基本親日で、でもしかし満点ではない、悪い所もあったと、忌憚ない忠告をしてくれた出演者の、反日部分だけを放送するのは、酷すぎる。
一例を挙げると、「日本に捨てられた」と発言した人は、もと帝国海軍である。
もし「だから日本は嫌い」だと言っているなら、インタビュアーの前で「笑顔」で軍人勅喩を暗誦するはずがない。
怒りながらか、泣きながらするはずである。
どうしてこの人の、「命懸けで戦ったんだ」「日本に捨てられた」を組み合わせて、「日本は命懸けで共に戦った台湾を捨て、中共についた」ことに対する批判だとピンと来ないのか。
その時代を台湾で生きたことがない私でさえピンと来た。
読者にひとつだけ、注意を促したい。
台湾は台湾である。
中国ではない。
台湾は清朝の一部だったが、実態は清朝時代から異民族の支配を受けた、台湾という地域だったのである。
台湾に日本敗戦以降に中国本土から来た人を除けば、「日治時代」を悪く言う者はいない。
ちなみに、日本統治下の時代を
朝鮮は
「日帝時代」
という。
台湾は
「日治時代」
という。
それだけ見てもわかりそうなものだ。
桜というミニコミがこれを論破してくれたが、これ、NHKが、取材したすべてを、親日でも反日でもない客観報道に仕立ててくれていたらと、残念でならない。
もし日本の最大放送局がした報道なら、韓国語字幕つけて韓国人の友達に見せても一度は見てくれるだろう。
一億分の一の確率で、「同じ日帝支配を受けた韓国と台湾で、なぜこんなに対日感情が違うのだろう」と、疑問を持ってくれたかも知れない。
しかし、編集後のほうの映像では、韓国人は
「日帝は台湾でも搾取収奪を尽くした」としか思わないであろう。
韓国人を説得するのに、桜放送では知名度がなさすぎる。
また、NHKが「台湾も悔い改めて正しい反日国家になりなさい」と啓蒙するつもりだったのなら、それは見果てぬ夢と忠告する。
台湾人のアイデンティティは、強さも質も、韓国のそれとは違う。
韓国のそれは、「小中華・ウリナラ、セカンドカントリーを、世界が馬鹿にする、アイゴー」
でしかない。
韓国は1945年に突然、大東亜事業に失敗したトーチャンを叩き出した。
台湾は、「おとうちゃん、どうしても行っちゃうの」と、泣く泣く別れたのだ。
天と地ほど違う。
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