この小説には序章はない!!

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「俺はエースじゃねえ。だいたい、結局4チーム総当たりで一勝二敗。  今の試合で負けてりゃ、最下位で道具の片付けだったんだぞ?」  普通なら片付けは全員でやるものなのだが、体育教師である飯塚 弘之が、 「潔く負けを認めないやつは嫌いだ。  だから負けたやつは片付けをしろ」  と、筋も通っていないことを告げたからだ。  ちなみに片付けをサボると、反省文を原稿用紙2枚分と一週間の体育館掃除を言い渡される。  それも何故か校長直々にだ。  俺はサボったことがないから知らないが、サボったことがある西斑は、そりゃもう灰になっていたのは覚えてる。  まあ西斑がそうなった理由は、言い渡される際に親同伴だと言われたからだろうが。  俺は西斑の母には、一度だけだが会ったことがある。それも西斑を怒ってるときに。  今思い出しても、怖かったのは覚えてる。西斑が常日頃、魔王と呼んでることもわからなくはないかも知れない。  ……うん、思い出すのは止めにしよう。トラウマもんだし。
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