この小説には序章はない!!

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 授業が終わり教室へ戻った俺は、西斑と共に弁当を食べていた。  先程の体育は四限目であり、また最下位のチームは昼休みが終わるまでに、体育館の片付けをしなくてはならない。  故に急いで弁当を食べる者もいれば、弁当を持って体育館へ走る者もいた。 「いや~それにしても、昨日の霧葉ちゃんは良かったよな!  もう、マジで可愛過ぎだ!」  はい?こいつ何言ってんだ?  それに霧葉って誰だよ。 「あ、右京は霧葉見てないんだったよな?」  あぁ、俺の顔に書いてあったのか、こちらを見た西斑は苦笑しながら、俺に言った。 「霧葉って誰だよ」  流れからして、俺はこう質問する以外に選択肢はなかっただろう。つか無い。  正直、あまり興味がないから質問したくなかったが、しなくても饒舌に語られるのは目に見えている。  よって選択肢がないという結論だ。 「よくぞ聞いてくれた!毎週水曜日、26:30より絶賛放送中のアニメ! 『魔霊少女マジカル霧葉!』の主人公、水泉 霧葉ちゃんの事だ!」  いつの間にか、左手に下敷き……多分、その霧葉とやらの絵の下敷きを掲げて、西斑は大声で叫んだ。  俺は即座に、席から立ち数歩遠ざかる。無論、西斑と同類として見られたくないからだ。 .
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