この小説には序章はない!!

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 互いに謝り合った後、水前寺は最後まで申し訳なさそうに苦笑しながら友人へと向き直し、俺は西斑の持つ下敷きへと目を向ける。  そこには青い髪、青い瞳をした少女が険しく、且つ決意を秘めた瞳で凛とポーズを決めていた。  もし身に纏うものが甲冑とかだったのなら、その少女は騎士又は武士にしか見えなかっただろう。  手には、身丈より長い銀の杖……なのだろうが、それは槍と呼ぶに相応しそうなものだった。  槍に甲冑……ゲームによくある騎士や武士の格好だ。  しかし、少女のそれはそれとは全くかけ離れている。  ……どう見てもこれ、魔法少女だよな?  少女の服装は、どう見ても魔法少女だった。  一重に言うなら、日曜日の8:30のあれみたいなもの。  違うとすれば、それ特有の装飾が減り、身を守る小さな甲冑のようなものが装飾されている。  また、全身にきちんと"それ"が纏ってあるのが、俺にそう印象付けた。  ……前言撤回。全く魔法少女に見えん。いや、見えなくもないが何とも言えないのが、俺の感想だ。  ただやはり疑問というものは、興味が湧かないものでも抱いてしまうものである、と俺はこの時に認識をした。 .
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