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「なー、今からどっかいかん?」
カオリはテーブルごしに身を乗り出して私を見た。
「どこへ!?」
「どこって、そやなあ、買い物とか散歩とか。」
「大丈夫やて、おかん、まだ帰ってこんし!」
こうして、強引にカオリに付き合うことになったのだった。
「この辺、なーも無いねえ。」
「田舎だもん、大阪や神戸と違うよ。」
「たんぼばーっか」
文句あるか。
「てかさ、なんでさっきから他人行儀なん?」
「そんなこと無いって。」「ほら、今も!もっと気楽に話してくれてええよ?」 いきなり連れ出されて、何を話せと。
民家の軒先で犬が昼寝をしていた。
「ほら、あっこ犬おんよ!」
「うん」
気がついたのか、私たちの方を見ると起き上がって、わん、と吠えた。
「きゃっ、私犬苦手なん」なら、関わらなきゃいいのに。
そんなやり取りをしているうちにスーパーについた。
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