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普通なら,怪我してもおかしくないはずだが見事な着地をして正面玄関に向かう!
教室に急いで駆け込むと,全員がキク乃を見た。
「…ギリギリセーフか?」
キク乃が疑問を発した途端に誰かがキク乃にタックルした!
「うわぁぁぁぁん!!キク乃ぉぉ!」
「未由(ミユ)!?どうしたっ……てか鼻水きたなっ!」
キク乃にいきなりタックルした少女の名前は,天上未由(テンジョウ ミユ)。
同じクラスの友達だ!!
天然パーマの長い茶髪を揺らし,黒眼を震わせながらキク乃を見た。
未由は泣きじゃくりながらも,キク乃に抱きつき離れない。
小学校に入ってからずっと親友なのだが6年生になった今でも未由の態度は全く変わらなかった。
2人の行動にクラスメートからの突き刺さるような視線が痛いのだが,力ずくで未由を引き剥がし理由を尋ねる。
…未由は,急にタックルするとき何かしらの悩みをキク乃に話すのだ!!
「あっあのね!!私の隣の席の男子がいじめてくるの~!!」
そのセリフと同時にみんなが一斉に未由の隣の席を見た!
そこに座っていた男子は,ビックリしたように目を丸くして両手を激しく振っている。
「えっ!?あっ!?ちょっと俺,なんもしてねーよ!!!」
…確かに未由は,モテる体質であった。茶髪の髪が緩く波うっていて瞳はリスのようにクリクリしている。
誰が見ても美少女だ…泣き虫なのがたまにキズだが。
「そんな事で泣かれても私にはどうしようもないんだけどなぁ。」
キク乃は,ため息をつき頭をかかえていると突然,廊下から騒がしい声が響く!
そしてキク乃の教室,6年2組のドアを思いっきり開け入ってきた!
「お~~~い!!"鈴キク乃"はいるかぁ~??」
鼓膜が破れそうなほどの大音量。
『アンタうるさいっ!!!』
一斉にクラスメートたちは怒鳴った。
ただ,クラスメートは理由がわかっていたので次第に目を輝かせる!!
「「探偵が出動するぞぉ~~!!!」」今度はみんなで一斉に叫びキク乃に目線を向ける!
キク乃は眉をひそめながら騒音男を見た。
彼の名前は,伊藤直(イトウ ナオ)。
常にカメラを所持し,メガネをしっかりかけ短い黒髪は寝ぐせなのか天然なのかは謎。
だが非常にくるくるしていて瞳は,楽しそうにキラキラしていた。
かなりの情報網で校長先生の"影の功労者"とも言われるほどだ!!
そして,伊藤直が来るときは大抵キク乃絡みである。
キク乃は,この学校で…いや日本で唯一の…
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