喫茶

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蛇に睨まれた蛙ではないけど、猫にジーッと見つめられ、私も視線を外せず暫く見つめ合いが続いた。 ……なんで猫と見つめ合わなきゃいけないの。 視線の意味がよく分からず、とりあえず歩み寄ってみようと足を一歩前へ。 「あっ」 出した途端、猫は待ってましたと言わんばかりに角を曲がり歩いていってしまった。 あれだけ見つめておいて……なんて思わせ振りな猫さん。 猫が歩いていった角まで行くと、また少し先で立ち止まり私をジッと見つめる黒猫。 ……私、何を求められているんだろう。 猫の視線の意味なんて分かるはずもなく、試しについていってみる。 と、またすぐに歩き出す黒猫。 そして暫く進んで私に振り向く。 まるで私がちゃんとついて来ているか確かめてるみたいに…… 「……なんて、ないない」 そうして暫く、私と黒猫の軽い追いかけっこみたいなものが続いた。 .
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