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「その格好のせいじゃないかな?」
「ああ…納得」
璃玖は自分に当てられた視線の理由が分かると、頭の中にあったと思われるモヤモヤが晴れ、視線を気にするのをやめた。
「とりあえず、早く会計済ませちゃおうか。その後服を隠せるマント買ってあげる」
「別にそこまで…してもらう必要ないよ」
「多分ずっと視線を集める事になるよ?」
「むぅ…」
璃玖は見られる事には抵抗は全くないが、ずっと見られるのは多少気分が悪いらしく、マントを買ってもらうかどうか悩む。そして、結論を出した。
「じゃあ…お願い」
「うん、分かった。じゃあ先外で待ってて」
「…分かった」
「さて…うわ、何この列…タイミング悪」
セルスは璃玖に外で待っててもらうように言うと、会計を済ませに行った。しかし、何故か会計が込んでいて時間がかかりそうだった。
「…遅い」
外で待っている璃玖は、あまりにセルスが出て来るのが遅かったため、中に様子を見に行こうとした。すると、店から慌てた様子で鞄を抱えた男が出て来た。
璃玖と男は、出会い頭にぶつかってしまい、璃玖は転んだ。
「…むぅ」
「あ、ああごめんよ嬢ちゃん」
男は璃玖を立たせ、軽く謝るとそそくさとその場を立ち去った。その後すぐに、今度はセルスが慌てたように出て来た。
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