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「魔王…」
「そう、ボクは魔王。人間の女の姿をしているけど、れっきとした魔王さ」
ミラは璃玖にこれでもかと言うほど、自分が魔王である事を強調する。
「…イッツアファンタジー」
「ん?」
「…何でもない」
「あ、あああなたが魔王様だったんですか!これはとんだご無礼を!」
セルスはミラが魔王だと言う事が分かると、ものすごく慌てた様子でひざまづいた。
「セルス…?」
「ああ、大丈夫だよセルス。気にしなくて良いよ」
「は、はい!ありがとうございます!」
「…?」
璃玖にはセルスとミラのやり取りが、良く分からないでいた。
「敬語も無し。君もボクにとっては命の恩人なんだから」
「ねえミラ…どういう事?魔王って…人間の敵なんじゃ…」
「あはは、この世界ではそれは違うよ璃玖。ここでの魔王は、魔物を従える者の意さ。まあ、本当に王様も任されてるけどね」
ミラは、璃玖が思っている魔王とは遠く掛け離れている存在だった。
「じゃあ…ミラは魔物を従える事が出来て、最も偉い人?」
「うん、そういう事。人間ではないけど」
「魔王様がいる事でこの世界は人間と魔物が共存出来るんだよ」
セルスが何やら自慢げに、璃玖にそう豪語する。
「こらセルス。ボクの事はミラで良いって」
「で、でも…」
「うん、じゃあ命令」
「…分かった、ミラ」
ミラは王様の権力を使い、セルスに自分を呼び捨てさせた。
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