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「…何て権力の…無駄遣い」
「あはは、まあそう言わないでよ」
「それより……ミラ、何で魔物に襲われてたの?」
セルスは多少ミラを呼び捨てにする事を躊躇いながら、魔物に襲われていた理由を聞く。ミラは顔色一つ変えず、おどけた表情で答えた。
「いやー、あれはボクのやり方が気に入らないとか言ってボクを敵対視してる奴らだよ」
「何でそんな大変な事…笑いながら言ってるの」
「あはは、そんなの沢山いるから慣れちゃった」
ミラはやはり顔色一つ変えずに答える。そんなミラに璃玖は多少呆れ気味だった。そしてミラはああ、と何かを思い出したようにこう繰り出した。
「そういえばまだ君達にお礼をしてなかったね」
「別に…いらな…」
璃玖がお礼はいらないと断ろうとした時だった。
ぐ~…
「………」
「あはは、お腹空いたのかな?」
「ええ!?璃玖さっきあんなに食べたばっかりじゃない!?」
セルスは璃玖が先程十五人前食べたばかりなのに、お腹が空いていた事に大声で叫びながら驚く。二人はその声があまりにうるさく、耳を塞いでいた。
「セルス…うるさい」
「あ、ご、ごめん…」
「まあ、とりあえずボクの城に来なよ。歓迎するよ?」
「……うん」
ミラが自分の城に来るように言うと、璃玖はすぐに頷いた。その理由としては再び断ろうとした時にお腹が鳴ったからだ。
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