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「グアァァ!」
「うわぁぁぁ!」
璃玖が声のする方へと着くと、そこにはかなり大きい熊と、その熊に襲われている金髪でロングヘアーの少女がいた。璃玖はその少女を助けようと、近くにあった石を思いっきり熊に投げつけた。
「グルル…?」
「助かった…じゃなくて危ないですよ!」
「大丈夫…」
熊の注意を引き付けた璃玖は、少女の心配をよそに木刀を構える。そして熊が璃玖の方を完全に向いたと同時に、璃玖は動き出した。
ゴン!
「グアァ…」
ほんの一瞬の出来事だった。璃玖が走り出したかと思うと、次の瞬間には木刀を熊の頭にたたき付けていた。威力も相当な物だったらしく、熊は頭を押さえていた。
「全く見えなかった…」
「今のうちに…逃げよう…」
璃玖は少女の前に戻り構え直すと、少女に逃げるように促した。
「は、はい!」
二人は熊が怯んでいる内に、逃げる事にした。しかし、璃玖が少女より先に熊に背中を向けた時だった。
熊が痛みを我慢して、璃玖に先程のお返しをしようと襲いかかろうとしていた。
「後ろ!」
「……!」
少女が叫び、璃玖が後ろを向く。熊はもう璃玖の目と鼻の先にいた。絶対絶命…そう思われたが…
ガン!
一瞬の内に熊が倒れていて、その横には璃玖がいた。少女には何が起きたのか全く想像出来なかった。ただ、一つだけ理解出来る事があった。それは…
「目の色が…変わった…?」
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