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「えっ…?」
「はい、鏡貸してあげる」
少女は璃玖に鏡を渡す。璃玖はすぐに鏡を見ると、目の色が髪の色と同じ蒼色になっていた。
だが、璃玖が確認した途端、目の色が元の色に戻った。
「あ…」
「戻っちゃったね…と、それは良いとして助けてくれてありがとう」
目の色が変わった事については一旦置き、少女は璃玖にお礼を言う。
「私はただ…熊を気絶させただけ…」
「そんな謙虚にならなくても…何かお礼しなきゃ…」
「…!」
璃玖はお礼の一言を聞くと、急にシャキッとした。その理由はと言うと…
「なら…ご飯…」
璃玖は空腹の状態で少女を助けたために限界に達していた。だからお礼と聞いた瞬間に、ご飯にありつけると思ったのだ。
「ご飯で良いの?」
「むしろ…ご飯が良い…」
「分かったわ、じゃあそうさせてもらうね。ところで…」
少女は璃玖の姿をまじまじと見つめ、こう言った。
「あなた、変な格好してるね」
「……?これは制服…」
「せいふく?」
少女は璃玖の着ている服がどんな服なのか分からなかった。それにより、璃玖にも違和感が沸いて来た。
「知らない…の?」
「うん、こんな服初めて見た。あなた何処の国の人?」
「日本…」
「ニホン?そんな国聞いた事ないよ?」
璃玖は少女のこの一言を聞いた途端、どういう事かと首を傾げた。
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