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「じゃあ…ここは何処?」
「ここはウィンディアだよ」
「ウィンディア…?」
璃玖は聞き慣れない国の名前に、更に首を傾げる。そして遂に、ある結論へとたどり着く。
「もしかして…ここは私のいた世界じゃない…?」
「どういう事?」
少女は璃玖が何を言っているのか分からないようだった。璃玖は自分のいた世界の事を話す事にした。
「ここは…昨日まで私がいた場所とは違う…私がいた場所は…こんなに物騒じゃない」
「えーと…つまり?」
「この世界は…私から見ると全く違う世界…私にとっては異世界」
璃玖は様々な出来事から、ここは異世界であると言う。少女もそれで璃玖が変な格好をしていると納得した。
「じゃあ、あなたは何らかの理由でここに来たって事だね」
「まあ…そうなるね。それより…」
璃玖は、あまりに急な事が起きたので重要な事を聞き忘れていた。
「あなた…名前は?」
璃玖は少女の名前を聞き忘れていたのだ。
「あ、ごめん忘れてた。私はセルス・ローライト」
「…神谷璃玖」
少女はセルスと名乗り、璃玖もそれに返すようにセルスに名乗る。するとセルスは、璃玖の名前を聞いた途端に不思議そうな顔をした。
「あなたが異世界から来たって事は分かってるんだけど、やっぱり変わった名前だね」
「…こっちの世界の、私がいた国では普通だから仕方ない…」
璃玖は変わった名前だと言われた事に、世界が違うから仕方ないと表情こそは変えなかったが、むっとした感じで言った。
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