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「あ、悪く聞こえたなら謝るよ。ごめん」
「大丈夫…」
璃玖は怒ってはいないという事を伝える。すると、セルスは笑顔でこう言った。
「でも、良い名前だと思うよ♪」
「……ありがと」
璃玖は名前を褒められて恥ずかしくなったのか、下を向きながらお礼を言った。
「うん♪それじゃ、ご飯を食べに行こうか?」
「ご飯……近くに街とか…あるの?」
璃玖は明らかに森の中と思われる場所の近くに、街なんてあるのかと疑問に思う。そう思う理由は、前後左右何処を見ても、しばらくは森から出られなさそうな道が続いていたからである。
「大丈夫、森を抜ければすぐに私が住んでる街があるから」
「どれ位…かかる?」
璃玖は空腹が限界なため、あまり時間はかけたくないようであった。
「ここからなら五分もあれば着くよ」
「………どう見てもたどり着けなさそう」
「大丈夫、私を信じてついてきて♪」
セルスは森を簡単に抜けれそうにないと心配している璃玖に、そう胸を張って言った。
「…まあ、分かった。セルスを信じる」
璃玖は少し不安ながらも、セルスを信じる事にした。そして二人は歩き出した。
セルスが言った通り、本当に五分後には森から抜け、街にたどり着いた。
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