現実となる不安

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「大丈夫だって!診察終わったら必ず電話するし、ね?約束するから。お仕事あるんだし無理しないで。」 なるべく落ち着いた声で言うのに、海斗はまだ「しかし…」と続けようとする。 そこにタイミング良く病院が見えて来たので私は最終手段を使う事にした。 「あ、ほらもう病院に着いちゃった!ちゃんと連絡するから、私を信じてお仕事頑張って?ね?」 「……」 『私を信じて』という単語に、海斗が黙り込む。 考えているのか、微かに唸り声まで聞こえて来た。 そしてため息をつくと降参したように笑う。 「…分かった。必ず電話しなさい。」 「うん。じゃあ、また後でね。」 電話を切った途端、ホッと体から力が抜けた。 力が抜けるとだるさも復活してきて、吐き気までも襲ってくる。 「…本当にインフルエンザだったりして…」 ボソッと呟くのと同時に、車が病院の駐車場に着いた。 終わったら連絡する事にして、とりあえず車を帰し受付を済ませる。 やはりインフルエンザを疑われたらしく、若干隔離されてしまった。 この時期の病院は混んでいて、内科の受付の前にはマスクをした老若男女がたくさんいる。 自分の順番はいつになるやら…と思うと体調は悪くなる一方だった。
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