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「も~毎年それじゃない。甘くない苦いチョコとかもあるんだよ?」
「…遊里以外は要らない。」
急に振り向いて囁かれ、体がビクつく。
そして私を見上げる海斗の瞳が、熱っぽく獰猛な光を宿している事に気付いた。
動揺しつつも口を尖らせると、その唇に海斗の指先が触れる。
「…怒るな。遊里がくれるものなら何でも嬉しいに決まっている。」
甘ったるい囁きが再び私を襲い、海斗に腕を掴まれて引き寄せられた。
「きゃっ!」
ストン、と海斗の膝に対面で乗せられてしまう。
間近で瞳に捕らえられ…頬が熱くなった。
「……今の一連のやり取りで、何が海斗の欲望のスイッチを押したのか分からないわ。」
明らかに熱を宿した瞳に戸惑う。
誘うような言動をした覚えはないのに。
「…遊里の全てが俺を誘惑する。その瞳を見ただけで。その声を聞いただけで。その指先が俺に触れただけで。」
そう言うと、海斗が私の指先にキスを落とした。
そのまま海斗の顔が近づいて来て、引き寄せられるように唇を重ねる。
「んっ…あ…お仕事っ…」
「俺にとっては遊里が最優先だ。」
深いキスを交わしながら、海斗の手が私のセーターの中に侵入してきた。
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