発熱

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「ん?」 シャワーでも海斗に散々翻弄され、ぐったりとリビングのソファーに身を預けていた時、私は違和感を覚えて腹部をさすった。 なんだろ…痛い…? 激しく痛むわけではないけど、ズキズキと…。 「何か食べたかな?」 我が家の料理人は一流だ。 衛生管理を怠るはずもない。 だとすれば私が何かつまみ食いしたに違いない!! …と思うのだけれど、覚えはなかった。 「冷えた、のか…な?」 そういえば書斎で散々いたして来たばかりだ。 きっとお腹が冷えたんだろう。 そう思い、私は特に気にする事もなく寝室へ向かいベッドに潜った。 温めれば治るよね…。 そう思っていたのに、一時間程温まってもお腹は小さくズキズキと痛み続ける。 終いにはお腹が張ってるような気すらしてきた。 なんだろう…嫌だな…嫌な痛みだ。 ぎゅっと布団を握りしめ、身を丸くする。 どうしても治らなければ薬を飲もう。 そう思って目を瞑っているうちに、私は深い眠りに落ちていた。 そして、起きた時にはその痛みも張りも嘘のように消え失せていたのだ。
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