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「海斗っ……」
涙はボロボロと溢れた。
辛くて、悔しくて。
そして何より、海斗が愛しくて。
「私も…生きていたいよっ…海斗や子供達とずっと…だって愛してるのにっ…海斗をこんなに愛してるのに!!死にたくない…死にたくないよぉ!!!」
叫んだ言葉に反応するように、海斗の指がきつく肌に食い込む。
絶対に離さない。
絶対にいかせない。
そんな強い想いを感じて、声を上げて泣いた。
「………」
散々泣いた後、私達は寝室に移動しベッドの上に寝転ぶ。
そっと布団をかけてくれた海斗を見上げたら、その目が真っ赤に充血していた。
「…うさぎさんの、目みたいね。」
わざとふふっと笑って言う。
その笑顔を見て海斗がぎこちなく笑い返してくれた。
「…お前も一緒だ、遊里。」
そのまま当然のように海斗の腕が頭の下に入れられ、海斗の胸に顔を埋める。
しばらく目を閉じて海斗の鼓動を感じていたら、海斗がそっと口を開いた。
「……明日一緒に病院に行く。二人で話しを聞いて来よう。」
「…うん。」
「少し寝なさい。目が赤いままだと子供達が心配する。」
海斗に言われ、抱きしめられたまま眠る。
この腕の中が…私が何より安心できる場所なんだ、そう思うと、また涙が溢れてきた。
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