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『ドラゴンハンターのマルコには、ドラゴンの輸送の任に就いてもらう。目的地は農村、エールだ。君の健闘を期待する!』
そう言われてから早くも一時間。私、マルコ=スタンレーは竜狩り(ドラゴンハンター)なのです。一応、新米。
上司から任された任務はドラゴンの輸送で、詳しい内容‥輸送してどうするか、誰に渡せばいいのかさえ教えて貰えなかった。ただ、エールに行けとだけ言われたのだ。
念のために説明しておこう。これから向かうエールはジャガイモとトマトが特によく採れる農村だ。俺が住んでる街にも販売されており、六割のシェアを誇っている。
そのエールにドラゴンを貰いにいくなんて、あの村も物騒なことに巻き込まれてるんだな~。でも、今回の被害者は間違いなく俺だぞ!
農村エールに着いた。あっさり着いた。
村人は思いのほか普通に農業を営んでいた。この村にドラゴンがいるというのに‥
「そこの小僧。」
ふいに俺を呼ぶ声がしたので、声をした方向に振り向いた。小僧は余計だ。
「君かね?竜の輸送を任された竜狩りというのは?」
「そう‥ですけど。」
俺に声を掛けてきた、農村には似合わない赤いドレスを着た女性は両手を腰に置いて声を出した。
「では、さっそく頼んだぞ。」
「あぁ‥担当の方ですね。了解しました。‥で、竜はどこに?」
「何言ってる?ここにいるじゃないか。」
俺は耳を疑った。
「え?」
「だから、私がお前が護衛しなければならない竜だよ。
赤竜のガーネットだ。よろしく頼むぞ、小僧。」
俺の初任務は竜の輸送ではなく、護衛らしい。
俺の目の前には竜がいた。
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