14人が本棚に入れています
本棚に追加
圭「リビングの使って自分でやれ」
あずさ「えぇ~、だってリビングの遅いんだもん。……それにこれから勉強したいのに」
我が家にはパソコンが二台ある。一台はリビングにそしてもう一台は俺の部屋に。
前者は、おとんが数年前に買ってきた家族で共有のデスクトップパソコン。
後者は、俺が夏のボーナスを使って買った俺専用のデスクトップパソコン。
この二台、その性能を比べればその差は一目瞭然だ。
同じデスクトップパソコンでも、片や買って数年、片や買って二ヶ月程。
OS一つ見ても、片やXP、片やWindows7だ。
今やパソコンなんて、数ヶ月もすれば新商品が発売される時代だ。
当然新商品はそれまでの物と比べても、性能の良いものは多いだろう。
性能が良いという事は、それだけパソコン作業によるストレスも減るという事だ。
つまり、処理速度の遅いリビングのパソコンよりも、処理速度の速い俺の部屋のパソコンの方がストレスをあまり感じることなく快適に作業が出来るのだ。
だが、作業を他人に任せればもはやそんな事など無関係になってしまう。
あずさ「ねぇ~。お願い、お兄ちゃん」
あずさは甘い声で俺に再度お願いをする。
断ることも出来る、しかし断れば後でぐちぐちと陰口を叩いてくるのだ。
まったく、この妹は……。
圭「分かったよ……」
あずさ「ありがとね~」
音楽CDと音楽プレーヤーを手渡すと、あずさは上機嫌で下へと下りていった。
一方の俺はと言えば、受け取った音楽プレーヤーに音楽CDの中身を取り込む作業に数十分間を浪費した。
最初のコメントを投稿しよう!