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「おはようございます、沖田さん」
今日も、千鶴は元気良く僕に挨拶をした。
「おはよう」
だから、それに向かって僕も軽く挨拶をする。
それからいつものように、彼女とたわいもない話が始まる。
そんな何気なくて変哲もない日々。
けれど、僕はそんなことでも嬉しくて楽しくて仕方がない。
そして、そのために、僕は意図的早く起きたりもしている。
なんでかって?
そりゃ、誰よりも一番に彼女の声を聞きたいからだよ。
「最近沖田さん、起きるの早いですね」
「そう?あ、もしかしたら、君に早く会いたいからなのかな?」
ポロリと本音を言いつつ冗談発言をしてみる。
すると彼女は一変して顔を赤く染め、オロオロと焦って視点があちこちにウロついた。
「そ、そんなこと知りません!」
「くすっ……もしかして照れてる?」
笑って彼女の顔を下から覗き込むと、千鶴はハッとして僕から距離を置いた。
「て、照れてないです!からかわないでください!」
少し怒った彼女。
そっぽを向いてしまった。
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