望みの扉

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気づくと 上田と再会したのは ちょうど一年前の明日の このファミレスで この席... 「あっ...あの...」 研修中のバッチを付けた 女の子が他の客に 接客をしていた そう... この新人の女の子の様に 上田は不安を持って オレに声をかけてきた それから オレは毎日ファミレスに来ては 上田と話をしたり 上田と店長に怒られたり 上田のバイトの時間が終われば 一緒に帰った 上田が困れば 手助けをした 上田が呼べば 可能な限り すぐに出向いた 「..........」 気づけば オレのそばには 上田がいた いや... 違う... オレの方から 上田に... 「.........」 「ははは...フッ...はははは...」 何だか笑えてきたなぁ... 「フッ...はぁ...」 怒りが湧いてきたなぁ... フォークを持つ手に力が 入ってきた... 「........」 ゆっくりと 手は徐々に上に上がっていった 上がりきった手は フォークを 強く握っていた... 「ふ...ふっざけんじゃ...ねぇよ!!!」 ガシャン! 手を強く振り落とし 四又のフォークは テーブルに突き刺さった
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