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オレの大きな声と
フォークとオレの手が
テーブルを強く叩きつけた音が
広い広いファミレスに
響き渡った
そこに居た
全ての客が
オレの座っている
超が付くほど
目立たない席に
多くの目線が集まるのを
感じた
だが
そんな目線も気にせず
オレは怒りをぶちまけた
誰に対する怒りか...
そんなの決まっている...
自分に対するものだ
「...逃げてんじゃねぇよ!」
「ふっざけんなよ!」
「あっ...あの......」
「...他のお客さんの...」
叫び続けるオレを
止めようと
新人のバイトの女の子が
オレに近づく
「...怖いだけじゃねぇか!」
「...傷つくのが怖くて...逃げて...」
「それで他人を傷つけて...」
「...上田を傷つけて...」
「ふざけんなよ!」
出てくる言葉が
全て自分への怒りを
吐き捨てて
治まる事がない
怒りの嵐に
新人バイトの女の子は
脅えている様子
それにやっと
気づいたオレは
「ごめん」
女の子に謝り
レジカウンターに
千円札を置いて
ファミレスを後にした
気持ちは真っ暗になり
寒く冷えた暗い空を
見上げた
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