望みの扉

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「...上田の事が......」 「好きなのに...」 「気付かないで...」 「否定して...」 「上田はオレに期待してたのに...」 「オレが苦しみから逃げたせいで...傷つけて...」 「好きな事に今更気づいても...」 「もう...遅い...んだよなぁ?」 誰か もう一度オレを殴ってくれ そうしないと この自分へ怒りは... いや、殴った所で 怒りは消えない... 「...上田には顔合わせられないな...」 これも逃げてる だけなのかも知れない... それからオレは帰り道に 家から近い公園で ベンチに座って 涙を流していた... 何の涙か、分からない 分からない... 自分にウンザリする位 どうしようもなく 涙が溢れ 止めようとしても 止まらず、流れ出てきた 「...いてぇなぁ...グス...」 「チクショウ...いてぇよぉ...グス...」 左頬を左手でおさえ 自分の胸辺りを右手でおさえた 「...痛みが...グス...消えねぇ...」 それから 何時間泣いただろうか? 涙は枯れる事なく 家に帰ると 夜中の12時を 軽々と超えていた 翌朝... 枕は涙でびっしょに なっていた
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