望みの扉

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「...情けねぇな......」 両親はすでに仕事に 行ったのか メモと千円札が リビングのテーブルに 置いてあった メモの内容は 『あかりちゃんとは仲良くしなさいよ! 母より』 内容はいつもと変わらず 人との関係は良くしろ って事が書いてあった 「こんな時に限って...上田か」 「もう...遅いんだよ...」 さすがに 涙は枯れたようで 出てこなかった... 昨日は風呂に 入らなかったから 風呂に入った 風呂にあった鏡を見ると 酷い顔になっていた 2日間寝ずに 試験勉強をした時を 思いだした... 風呂から出ると 少しはましになっていた リビングに行けば テーブルに置いたままの 千円札を持って 自分の部屋に 財布を取りに行った 椅子には上着が 投げすてられた様に 乗っかっており 上着のポケットから 財布を取り出して 千円札を入れた 上着に財布を戻し 椅子の背もたれに 掛け直そうと 持ちあげると ゴトンッ と携帯が落ちてきた 拾いあげて開くと 自然と電話帳を開いて 上田の連絡先を 見ていた
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