望みの扉

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明るい笑顔を残して 立ち去って行った なんだか 首が重くなり 持って来てくれた ハンバーグを押し退けて テーブルに突っ伏した すると 右頬に小さな痛みを 感じて 身体を起こすと テーブルに 4つの小さな穴から 小さなトゲが出ていた 恐らくオレが 昨日、感情任せに フォークを突き刺した ものだろう 「...........」 急に涙が 溢れそうになった 枯れたはずの涙が... 必死に 流れ出さない様に 堪えていると 「あの...」 「.......?」 新人の女の子が 横に立っていた... 「あの...えと...おしぼり...です」 温かくなっている おしぼりを手渡された 「...これは?」 「てっ店長が...」 「あの...その...」 何だか言いづらそうに していた... 「お前が、酷い顔になってそうだから、持ってかせたんだよ!」 新人の女の子の横に パフェを乗せたお盆を片手に つっ立っていた 「.........」 渡されたおしぼりを 見つめた... 「まぁ、大丈夫そうだが...」 「一応、拭いとけ」 店長はパフェを持って 違う客の方へ行った 「では...私もこれで...」
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