望みの扉

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「あぁ...ちょっと待って...」 「えっ?あっ...はい、何でしょう?」 「ドリンクバー持って来て貰えないかな?」 「ちょっと、ここから...出られないんだ...」 変な事言ってる様に 思われるだろうが... もしここで 自分でドリンクバーを 取りに行って 上田がきて 遭遇してしまったら... 「...わ...分かりました」 「何でもよろしいですか?」 女の子はあっさりと オレのバカみたいな お願いを引き受けてくれた 店の人間として 当たりまえ... いや、そんな感じの雰囲気はなかった... おそらく 全てを把握している 様子だった... その証拠に 返答の前に 数秒の間があり どことなしか 店長が居そうな方向を 見ていた... 見た所... このバイトの女の子は オレより 年下のようだ... 情けない... 年下の女の子に 気をつかわれて... 情けない... だが、そんな情けなさも 今では 気にならなかった... 「とりあえず、オレンジジュースです」 「ありがと」 女の子は 笑顔で立ち去って行った
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