望みの扉

13/20
前へ
/121ページ
次へ
彼女は オレの後ろから お腹に手を回し 自分の腕を掴んで オレを捕えた様に... オレを逃がさない様に... 抱きついて来た... 「私は...牧くんが好きなの...」 「!?」 「牧くんが初めてこのファミレスに来た時から、ずっと見て来た...」 「でも、それから...上田ちゃんが来て、牧くんは笑顔になる様になった...」 「あぁ、牧くんは上田ちゃんが好きなんだなって思ったの...」 「私は諦めたは...」 「上田ちゃんも牧くんが好きなんだもん...」 「両想いの二人を引き裂くなんて事は私には出来ない...」 だんだん 悲しげな声になって やがて 涙声が混じってきた 「私はお姉さんだからね...」 「........?」 「牧くんは、私を年下か同年の名前の知らない女の子って見てたみたいだけど...」 「私は牧くん達より、一つ上だからね...」 「だから、大人のお姉さんは、我慢して...二人を...応援...す...るの...」 声は泣いていた 背中に小さく震えを感じた 「.......」 「...もしも何だけど...」 「五十嵐先輩って人が先に告白しちゃって、間に合わなかったら...」
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加