再会

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もともと これは、オレが上田と手を繋ぎたい為に作ったもの 先生が考えた とか言って誤魔化し ケンカする度に 手を繋いで帰った 中学生だったオレは なんて幼いんだと 今さら後悔した 今回のはケンカではないが せっかく、再会して 二人で帰ろうと言うのに 雰囲気が重くては どうにもならん... ただ、雰囲気が少しでも 軽くなるのなら何でも良かった それ以外にあるとしたら 冗談が過ぎた オレが 恥ずかしくて 謝る事ができなかったから 誤魔化したのかも知れない... だが 上田がこの事を覚えてるとは 思わなかった... 繋がった上田の手からは 懐かしい温もりを感じた... 不意に、 上田の顔が視界に写り込んだ 凄く可愛いくて 小柄に似合う顔だち つまり、童顔だった 昔とあまり変わらない 上田に心臓がドキドキして来ていた 「牧くん?牧くん?」 上田がオレの視線に気づき 声をかけてきた 「なっ、なんだ?」 「私の顔になんか付いてる?」 「はっ?」 「だって牧くん、ずっと私の顔見てるんだもん...」 「ははは、何も付いてないよ」 「ただ、昔と変わらないなって思ってさ」
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