トモダチ

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手袋を オレに貸そうとした プラス 自分にオレと同じ 寒さを与える... だいたい こんな所だろう... 昔、一度だけ 同じ様な事があった あの時は 手袋をそのまま 借りてしまい 次の日、上田の手が 酷い状態だった... さすがに アレを見たら 学習能力がなかった おの時のオレでも 学習した... でも 上田の優しさは 嬉しかった... 「ありがとな...上田」 「えっ?」 「さぁ、信号赤になるぞ!」 「あっ、うん...」 信号を渡ってすぐの 公園の中を歩く 昔は良く遊んだ公園 遊具は半分くらい 撤去されなくなっていた ブランコは無事のようだ... 「上田...」 「なに?」 「ブランコ...座るか?」 「うん」 二つ並んだブランコに 腰をかけて 上着のポケットから 店長からもらった 缶コーヒーと ココアを取りだした 「ホラよ!」 「まだ温かいぞっ!」 そう言って 上田にココアを渡した 「アレ?」 「どうした?」 「優太、これいつ買った?」 「店長の差し入れ」 「ふ~ん...でもなんでココア?」 「だって、ココア好きだろ?」
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