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「好きだけどさぁ...」
「普通、『どっちが良い』とか聞かない？」
うん
確かにそうではあるのだが
どう考えても
ブラックコーヒーを選ぶ
甘党はいないだろ...
上田は昔から
結構甘いものとか好きだったし
ココアは一番好きな飲み物だと
記憶している
「優太ー...」
細く鋭い目で睨んでくる上田
何故か可愛くみえた
「なっ、なんだよ...」
「私を子供扱いしてない...？」
子供扱い？
してます、してます
どう見ても子供にしか見えない
頑張っても
高校生になりたての女の子
たぶん
店長も『上田にココアを』と差し入れしてくれたんだろうし
ブラックコーヒーなんか
飲めなさそうな顔してる
うん
『どんな顔だ！』って
心の中でツッコんでみた
とりあえず否定しておこう
「してないしてない」
手をパタパタとさせ否定
「オレの記憶が確かなら」
「上田はココアが一番好きじゃなかったか？」
「うん、ココアは一番好きだけど...」
そう言いなが
上田は手袋を外し手を暖めながらココアを飲み始めた
一口飲んで
オレも飲もうとした時...
「まぁ、ブラックは飲めないけどね」
やっぱり...
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