本当の気持ち

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逆に変な想像をしないために 上田が見てる訳でもないのに 小さく上田に頭を下げていた (ごめんなさい、上田さま...) 「優太、何か言った?」 「いや!何も!」 「ん?なら良いけど...」 無意識に 否定の声がデカくなってしまった もう、袋を覗くのは やめておこう... 前に目線をやると 持っている箱に書いてある 商品名が見えた... 『多種プラスチックボールくん』 最後の"くん"ってなんだ? この手のネーミングセンスに 疑いの目をもつ... イラストから分かるのは 料理などで使う 卵を掻き混ぜたりする ボールだろう... 多種って事は 大、中、小の大きさがあるのだろうか? まぁ、どうでもいいか... ふと、箱の さらに向こうを見ると 上田が手を振り オレを呼んでいる 呼んでいる訳だから 行くしかないか... 「なに?」 「あそこ!」 と言いながら ある方向に指を差した 差した場所には 公園のベンチがあった 「休憩...しよ!」 とびっきりの笑顔が オレに癒しを与えてくれていた そして 荷物をすべてベンチに置き 隣のベンチに腰をかけた...
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