本当の気持ち

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飲みほした缶を ゴミ箱に投げいれて 荷物を持った 「おら、もう暗くなるから行くぞ!」 「ねぇ、優太...怒ってる?」 「怒ってねぇ...」 「ホントに?」 「本当だ...」 「ホントのホント?」 「本当の本当だ...」 「ホントのホントのホン―!」 「怒るぞ...」 「ごめんね...あまりにも、つまんなそうな顔してたから...」 オレはいつの間に そんな顔をしていたんだろうか? アレは上田なりの 気づかいだったのかも知れない 「...早く行くぞ」 「やっぱ怒ってた?」 右手いっぱいの荷物を置いて 拳をあげて 「殴るぞ...」 「ごめんなさい!!」 10歩くらい後ろにさがり 頭を両手で押さえる上田 面白い反応だから 許す! 言葉にだしたら 調子に乗るだろうから やめておく... 荷物を持ち直し 歩きだすと 上田は着いてきた しばらく 同じ様なやり取りを 繰り返したおかげで 上田の家に着いた頃には 辺りが真っ暗になっていた... 上田宅の玄関に入る... いや、上田に押し込まれた 玄関からキッチン キッチンからリビング リビングから上田の部屋へ と押し込まれた
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