本当の気持ち

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「優太くん、夕飯出来たわ」 上田の母親が カレーがよそってある皿を お盆に乗せてやってきた 「どう?起きそう?」 そう言って 皿を小さなテーブルに 乗せた 「ありがとうございます」 「色々やりましたが、多分今日は起きないかも知れないです...」 「はい、スプーン」 シルバーのスプーンを手渡された 利き手の右手は 上田によって使えず 左手で受け取る 「そう...」 「食べ終わったら、うちの電話にかけて」 「食器取りにくるから」 「はい、分かりました」 上田の母親は お盆を持って部屋を出て行った とりあえず カレーを食べた... 左手だったから 食べずらかった... それより 何だか右手の侵蝕が進んでいる 最初は人差し指だったのに さっき手のひらを掴まれていた 最初はドキッとしたが... 握る力が強くて痛い... そして食べてる 最中に手首へと侵蝕していた さすがに 力は緩まっていたが まるで手錠のように 手首に巻き付いていた... まさか 上田は束縛するタイプ? 狙った男は離さない... 「んな事はないな」 「一度フラれてる...」
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