自分に嘘をつく

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「そうだよ!忘れてたぁ...」 「何をだ?」 そわそわしながら 布巾をいじっている... 「...どうしよ...どうしよ...」 小さい声で ずっと繰り返している 目が色々な方向に 泳いでいたり ウルウルした目で オレを見つめてくる... 「おっ、おい...少し落ち着けって...」 「どうしたんだ?」 手から布巾を奪い 飲み放題のドリンクバーで 上田がとって来た オレンジジュースを 手に持たせた... 「...ゴク...ゴク...ゴク...」 「...プハァ.......」 上田は オレンジジュースを 一気に飲み干した... 「それで、何を思いだしたんだ?」 「私...明日、シフト入ってるの...」 「うん...だから?」 「...先輩に明日シフト入ってる事言っちゃった...」 「...別に明日来るって決まってる訳じゃないだろ...?」 「...だって、今日サークル終わった後...」 「先輩...先輩の友達から明日の遊びの誘い...断ってた...」 「...他に用事があるかも知れないだろ?」 「...来るよ!絶対来る!」 ついには 立ち上がって 叫びだした 「どうしよ...私...見つめられて、仕事なんか出来ない...」
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