自分に嘘をつく

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店の奥の休憩室には 上田が背を丸め 座っていた... やはりダメだった様だ... 「だ...大丈夫か?」 「...無理...鳥肌が立ちそう...」 そんなに ダメなのか? 別に悪い先輩でもないし 普通に優しい人なんだが... まぁ確かにナルシストな 所はあるけど... 上田は膝を抱えて 完全に丸くなっていた... 「牧くん...」 「何ですか?...店長」 「...どうにかならないか?」 "どうにかならないか" まぁ上田がこれだと 仕事にならない って事だろう... だけど どうしたら良いか分からない... 「...どうしましょ?」 オレは苦笑いするしか なかった... 「.........」 店長は考え込んでいた オレは昨日から考え過ぎて 疲れてた 腕を組んで考え込むフリをした 「.........」 「...上田、喜べ」 不意に店長が上田に 声をかけた 「...へ?」 上田は膝を顔当てて うずくまっていた所を 少し驚いた顔を上げた 「牧くんが変わりに、やってくれるとさ!」 (へぇ、オレが...) 「......え?」 「オレ!?」 「そう、お前」 マジですか、店長!?
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