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「牧くん、やっぱりちゃんと聞いてなかったんだ...」
聞いてなかった...
悔しいくらい聞いてなかった
ちゃんと、聞いていれば
あんな事しなかった...
「私、牧くんがちゃんと聞いてたわからなかったから、話したのと同じ内容を、メールしたんだよ」
「見てなかったの...？」
見ていない
見てる訳がない
断られた後
猛ダッシュで走り出し
途中に川を見つけて
上田と連絡を完璧に絶つ為に
携帯を投げこんだ...
オレはバカだぁ....
「あの...その...、携帯をですね......」
「かっ...川に投げてしまい......」
彼女はポカーンとしていて
オレはただ
彼女のその顔を見つめるしか
出来なかった...
「ゴッホン!!」
どっからともなく
静かに咳ばらいをして
登場した店長...
オレと上田は驚き
オレはハンバーグを口にほおり込み
上田は、慌ててお盆を抱え立ち去ろうとしたが...
店長に捕まった
「新人くんよぉ...」
「お客とのお喋りは長くなければ拒みはしない...」
「けど、どっからどう見ても、長いよね？」
笑顔でお説教とは
とても怖い演出ではないか
上田は苦笑いをしながら
相槌をうっていた
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