自分に嘘をつく

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「店長...来ました」 「ん?そうか...」 「名札は外しておけ」 「はい...」 名札を外し ポケットに入れた ホールに戻る前に 上田の元へ向かった 上田は皿を拭いていた 「上田!」 「ん~なぁに~?」 振り向かず 皿やシルバーを 拭き続けながら 返事が返ってきた 「先輩...来た」 「.........」 手が止まり オレの顔を凝視する上田 「オレは仕事から外れるけど、裏方仕事はしとけよ」 今日はお客さんが少なくて 助かった気もする... ピンポーン ベルが鳴った 座席は...24番 先輩が座った座席 「それじゃ、オレは注文受けてくる...」 「..........」 上田は何も言わず ホールに向かうオレの 背中を見送った 24番座席に座る五十嵐先輩 見るからに 周りとは違う雰囲気が 漂っていた... 輝いている... もう見慣れた光景だった 「先輩、注文をどうぞ!」 「おう、牧!それじゃいつものよろしく!」 輝かしい笑顔で 答える先輩... この笑顔が 女の子達に人気なのかもな... 店にいる女の子達はみんな 先輩を見ている 「かしこまりました」
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