自分に嘘をつく

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「ホント?良かった...」 安心したような 表情の上田 「別に嫌いじゃないんだけどね...やっぱり、あの輝く笑顔...苦手なんだよなぁ...」 安心しても 苦笑いを浮かべた 上田はスポンジを持ち 皿を洗い始めた... (...笑顔...かぁ...) 「ん?何か言った?」 「え?あぁいや......!」 「そうだ...上田!」 「何?」 「オレっていつも笑ってるか?」 先輩や店長を 疑うわけではないが オレが素の笑顔を 浮かべていたのが 信じられなかった... 「...ん~?そうだね」 「いつも、楽しそうに笑顔だよ」 「なんか、...カッコ....」 途中小さくて聞こえなかったけど オレはホントに 笑顔を浮かべたようだ 「そうか...ありがと上田」 「オレは仕事に戻るな!」 「うん!」 なんだか 上田もすごい笑顔だった その日は 仕事が終わると 一人で 家に帰り 眠りにつくまで ずっと先輩の言葉の意味を 考えていた... そして ―翌日― 大学が休みで 朝からファミレスにいた 昨日の夜シフトに入っていた バイトのみんなの 視線が痛い...
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